2011年3月11日の東日本大震災、直近では2018年6月18日の大阪北部地震、同年6月28日から7月第1週にかけての西日本を中心とした記録的な大雨など自然災害が続いています。
今まで、生命や資産形成、病気やケガに備える生命保険や医療保険を主に紹介してきました。
最近記事は、老後資金準備「外貨建保険と外貨預金」で、金利の安い時代注目される外貨建保険と外貨預金の紹介・比較をしています。
今回は、自然災害備える「損害保険」や保険会社の対応について紹介します。
損害保険
損害保険は、自然災害や火災・地震・自動車事故などの偶然な事故により生じた損害を補償する保険です(生命保険では「保障」を損害保険では「補償」という言葉を使います)。
損害保険には、以下に示すような種類があります(個人に関係しない海上保険をのぞいています)。
- 火災保険
- 地震保険(単独では加入できず火災保険と一緒に加入します)
- 自動車保険・自転車保険
- 旅行やスポーツなどを補償する傷害保険
- 働けなくなったときに備える所得補償保険(生命保険の就業不能保険に同様)
- 個人賠償責任保険
- ペット保険
- 掛捨てでない積立型損害保険など
損害保険は掛捨てが基本ですが、積立型損害保険は補償と貯蓄性を兼ね備えた保険で満期返戻金がついた「積立普通傷害保険」や年金が支払わられる「年金払積立傷害保険」などがあります。
今年の自然災害の補償状況
今年(2018年)に発生した大阪北部地震と西日本を中心にした7月豪雨の補償状況や保険会社の対応を紹介します。
大阪北部地震
損害協会によると、7月2日時点での保証状況は、以下のようになっています(地震保険取扱会社31社を対象)。
- 事故受付件数:7万8838件
- 調査完了件数:2万5672件
- 支払件数:1万8010件
- 支払保険金合計:136億円
- 大阪府が最大で123億5000万円
- 京都府は7億700万円
- 兵庫県は4億5000万円
7月豪雨
損害保険会社は、7月豪雨による被害状況の確認や保険金支払いに向けて以下のような対応をしています。
- 東京海上日動:福岡・広島・岡山・京都・高松に災害対策室を松山・福知山にサテライトオフィス
- 三井住友海上:福岡・広島・岡山・高松に災害対策室を設置し450人上で対応
- あいおいニッセイ同和:大阪・広島・福岡・高松に災害対策室を設置し450人上で対応
- 損保ジャパン日本興亜:松山・岡山・広島・福岡・長崎・兵庫・京都に災害対策本部を設置
保険会社は、被災された加入者に早期に対応できるように対策しています。
今回の大雨による災害に、内閣府は7月5日〜8日にかけて8府県58市36町4村に災害救助法の適用を決めています。
損害保険の支払い能力
地震など大きな自然災害は巨大な損害が発生し、支払いができるか心配があります。
基本的には過去の支払いデータやシミュレーションを通して保険金を支払えるように保険料を決めて保険契約をしています。
損害保険料の仕組み
損害保険料は生命保険と同じように、大数の法則(ここは偶発性のものでも数多く集めた大数で見ると一定の法則性が現れる)と収支均等の原則(保険料の総額と予定運用益の合計が支払保険金の総額と保険会社の予定経費の合計を同じにする)で決まります。
このように保険料は、以下に示す保険料の合計になります。
- 保険金の支払いにあてる「純保険料」
- 保険会社の経費や人件費などにあてる「付加保険料」
再保険
支払保険金がどのくらいになるのかは、各保険会社の保険金支払額を集計して決まります。
しかし、地震などの自然災害では過去の事例だけでは正確に決めきれません。
そこで保険会社は、保険金を支払えるように保険会社が保険に加入します。
これを「再保険」と言います。
特に、支払保険金が巨大になる可能性のある地震保険は、日本政府が再保険を引き受け比較的安価で安定した保険を可能にしています。
巨大な損害が予想される自然災害でも、保険金の支払いに心配なく加入できます。
2018年07月11日(水)