金融庁は、保険料収入の運用利回り(予定利率)の目安になる「標準利率」を2017年4月にそれまでの1.00%から0.25%に大幅に引き下げました。
これについては、以前の記事【個人年金保険】運用利回り「標準利率」が下がり保険料の値上げで紹介しました。
運用利回りが低いということは、約束した保険金を支払うのに運用益が少なくなるので、それを埋めるため保険料が高くなります。
言い換えると、特に貯蓄性の保険の魅力が少なくなります(定期保険等の掛け捨ての保険についても影響はありますが、貯蓄性がないのでその分「標準利率」引き下げの影響は少なくなります)。
日本はマイナス金利で金利の低下は、今後も続く見通しです。
世界に目を向けると、日本に比べ金利の高い国が多く、米国中央銀行FRB(連邦準備銀行)は0.25%の利上げを決定し年0.75%〜1%に引き上げる見通しです。
このため、日本に比べ利率の高い外貨建て運用が注目されます。
三井安田生命は、8月から以下の2種の外貨建て保険の発売を発表しています。
- 「米ドル建・一時払養老保険」
- 「外貨建て・エブリバディプラス」(一時払終身保険)
「米ドル建・一時払養老保険」
この保険は、以下のいずれかを受け取ります。
- 運用益により一時払保険金(基本保険金)より高額が期待できる満期保険金
- 基本保険金と同額の死亡保険金(不慮の事故・特定感染症による死亡は満期保険金)
- 基本保険金と同額の解約返戻金
死亡保険金と解約返戻金を一時払保険料(基本保険金)と同額にすることにより満期保険金が大きく設定されています。
この保険の特徴を以下に示します。
- 満期保険金はその月の予定利率で契約日に確定
- 予定利率は1.5%から2.5%ぐらい(契約時に確定)
- 保険期間10年、満期後最長10年据え置き可能
- 外貨は米ドル
- 契約者年齢は20〜85歳、被保険者年齢は0〜85歳
- 一時払保険料は100万円から1億円(20歳以上)まで10万円単位
- 予定利回りは予定利率2.0%で契約時年齢により113%〜114%ぐらい
- 外貨での元本割れはないが円換算すると為替リスクがある
「外貨建て・エブリバディプラス」(一時払終身保険)
この保険の特徴を示します
- 死亡保険金額は契約日から5年経過後(第1期保険期間)に増額
- その後は10年経過後(第2期保険期間)に増額
- 契約日から10年間の予定利率は最低0.5%を保障
- 外貨での運用成果は解約返戻金に反映
- 死亡保険金は解約返戻金に連動
- 医師等による審査や告知は不要
- 外貨は米ドルまたは豪ドル
- 保険期間終身
- 契約者年齢は20〜85歳、被保険者年齢は0〜85歳
- 円での一時払保険料は100万円から3億円まで10万円単位
- 外貨での一時払保険料は1万通貨から3億円相当額まで1,000通貨単
- 解約返戻金が一時払保険料の目標値(105%〜200%)を超えると円建終身保険に移行
2017年07月19日(水)