会社員(厚生年金)や公務員(共済年金)は、雇用先で年金に加入し保険料は給与から天引きされます。
自営業者、アルバイトや個人事業主の加入する国民年金は、自分での払い込む必要があり、保険料を支払わない人がいます。
- 1014年度の納付率は、63.1%(前年度から2.2ポイント増)
- 納付率がもっと高い県は、島根で76.7%
- 最も低い県は、沖縄で45.2%
- 東京都は、58.8%
- 大阪府は、54.0%
保険料と年金額
平成29年の月額保険料は、16,490円です。
20歳から60歳まで40年間保険料を支払い続けた場合の平成28年の年金額は、780,100円です(今支払い続けている方が65歳になり受取る年金額は変わります)。
保険料と年金額が変わらないとすると、以下が言えます。
- 月額保険料16,490円
- 40年間の払込総額は7,915,200円
- 65歳から受給し約10年で保険料払込総額と受給した年金額はほぼ同額
公的年金は終身保険なので長生きすればするほど受給する年金額の合計は増えていきます。
余命は増えていますので、85歳まで生きると年金額の合計は保険料の払込総額の2倍ぐらいに、更に長生きすると2倍以上になります。
保険料は国と折半負担
厚生(共済)年金保険料は、雇用主と本人が半々ずつ負担します。
国民年金の保険料は雇用主負担がないので、本人が全額を支払っていると考えている人がいるかもしれませんが、違います。
- 平成16年までは国庫負担率が3分の1
- 平成21年までは国庫負担率がだんだんと増加
- 平成21年からは国庫負担率が半分
つまり、平成21年からは国民年金の保険料は本人と国とで半々ずつ負担します。
保険料が半額の保険に加入しているようなもので、国民年金制度は有利な制度と言えます。
年金に加入していると自分の払い込んだ税金の一部が年金制度として戻ってくると言えます。
公的年金の保険料は、以下のようになっています。
分類 | 加入者(被保険者) | 保険料 |
---|---|---|
第1号 | 国内に住所のある20歳以上60歳未満で第2号被保険者・第3号被保険者以外 | 平成29年は 16,490円 |
第2号 | 厚生年金・共済年金加入者 | 事業主と被保険者とで折半負担 |
第3号 | 厚生・共済年金の被扶養配偶者で20歳以上60歳未満 | 保険料の負担なし |
国民年金と厚生・共済年金(公的年金)
国民年金、厚生年金、共済年金は、別々の制度ではありません。
国民年金は老齢基礎年金と呼ばれ、国民年金、厚生年金、共済年金共に同じです。
違いは、厚生年金と共済年金には老齢基礎年金に上乗せされる老齢厚生・共済年金があることです。
このため、厚生・共済年金は、2階建てと呼ばれます
長期間加入すると上乗せ部分が老齢基礎年金よりも大きくなります。
例えば、厚生年金加入者は、共通する老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金を受取るので年金額は大きくなります。
国民年金は保険としてもメリット
国民年金(厚生・共済年金の基礎年金)は、原則保険料を25年以上(平成29年8月からは10年以上)納付すると65歳から年金(平成28年は年額780,100円)を受給できますが、これ以外にも以下に示す大きなメリットがあります。
- 障害基礎年金
- 遺族基礎年金
厚生年金加入者は、障害基礎年金(遺族基礎年金)に加えて障害厚生年金(遺族厚生年金)を受給できます(共済年金も同様な制度があります)。
障害年金と遺族年金も、2階建てになっています。
ここでは、基礎年金を取り上げて説明します。
障害基礎年金
□ 障害基礎年金の受給要件
以下の条件を満たすと、障害基礎年金を受給できます。
- 障害の原因となった傷病の初診日に公的年金の被保険者
- 被保険者で国内に住所のある60歳から65歳未満の間に障害の原因となる傷病の初診日
- 障害認定日に障害等級1級・2級に該当する障害
- 初診日の前日までの被保険者期間の3分の2以上保険料を納付または保険料免除期間
以上を満たしていることが必要ですが、初診日の月の前々月までの1年間保険料を納付または保険料免除期間であれば例外として受給できます。
60歳から65歳の説明があるのは、国民年金の加入期間が60歳までだからです。
□ 障害基礎年金の受給額
障害等級で受給額が変わります(平成28年のケースです)。
- 1級は、780,100円の1.25倍に子の加算
- 2級は、780,100円に子の加算
子の加算の対象になる子供は、年齢で決まり以下の示す月まで支給されます。
- 18歳になる年度の末日(3月31日)
- 障害等級1・2級の子供は20歳未満まで
子の加算は、以下になります(年額)。
- 第1子・第2子は、各々224,500円
- 第3子以降の子供は、各々74,800円
遺族基礎年金
□ 遺族基礎年金の受給要件
以下の条件を満たすと、遺族基礎年金を受給できます。
- 国民年金の被保険者が死亡したとき
- 被保険者で国内に住所のある60歳から65歳未満の人が死亡したとき
- 老齢基礎年金の受給権者が死亡したとき
- 老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている人が死亡したとき
- 国民年金の保険料について、一定の納付要件を満たしていること
□ 遺族基礎年金を受給できる遺族
上の受給要件を満たし、かつ以下の条件を満たす遺族が対象になります。
- 子供のいる配偶者(夫も対象)
18歳(年度末まで)までの子供(障害等級1・2級は20歳未満まで)を持つ配偶者に支給されます。
- 子供
18歳の年度末まで、障害等級1・2級の子供は20歳未満までの子供に支給されます。
□ 遺族基礎年金の受給額
年金額は、以下のとおりです。
- 遺族の配偶者への年金額は780,100円
- 子供がいる場合の加算額は、障害基礎年金の子の加算と同じ額
□ 寡婦年金と死亡一時金
条件により、寡婦年金と死亡一時金(どちらか1つを選択)を受給できますが別途説明します。
2017年03月10日(金)