保険金は、保険会社が保険料を運用してその収益から支払われます。
このため、運用益(予定利率)は、重要です。
保険会社の保険料の運用先
保険会社は、収入の保険料を主に以下で運用しています。
- 国債
- 株式
- 外国証券
2000年頃は、この3つの運用先は10%ぐらいの範囲に収まっていました(全体保険料収入の20%〜30%)。
- 国債は30%弱から増加して40%強ぐらいになり2015年から減少傾向
- 外国証券は2003年から30%弱が続き2011年ごろから増加
- 株式は30%弱から2005年増加したが2006年以降は減少
日銀のマイナス金利制作で10年物国債の利回りがマイナスになり国債での運用益が期待できなくなり運用益を高めるために外国証券が注目されています。
現在の国債の金利水準では、1000億円程度の運用益の減少になるとのことです。
主要14社の保険会社の2016年度の運用計画では、保険料収入の見込額が合計で約12兆円になり、その約4割の5兆円を超える額が外国証券で運用する計画です。
国債は長期国債で運用
10年国債の利回りは、2016年5月で−0.1%前後です。
10年国債で保険料を運用すると逆ざや(元本割れ)になります。
このため、保険会社は以下の考えで運用益を確保したい考えのようです。
- 当面、外国証券を増やして運用益を確保
- 20から40年国債では利回りがプラス(最も長期の40年国債で0.445%)
- 10年国債から20年以上の長期国債に運用をシフト
- これから期待される農業やベンチャーキャピタルで運用など
円安になると予想されたマイナス金利政策ですが、その後円高になる予想が多く(円高が進むと外国証券運用には不利)、国債の利子も低い(10年国債ではマイナス)ことから保険会社の運用は厳しい時期が続きます。
2016年05月12日(木)