保険金の相続

死亡保険金を相続すると相続税の対象になります。

保険金の相続は、保険に特有な以下の非課税枠があります。

 

保険金の非課税枠 = 法定相続人 * 500万円

 

保険金から非課税枠を引いた額をその他の財産と合算して負債と葬儀費用を差し引いた額が相続税の課税対象になります。

死亡保険金は保険の非課税枠がある上に相続税の基礎控除も受けられるので2重の控除があり、相続税から見ると保険は有利です。

 

相続人が配偶者(妻)と子供一人の場合でも保険金の非課税枠と相続の基礎控除は、5,200万円になり保険金の相続だけであれば相続税がかからないケースが多いと思われます(配偶者には基本的に相続税はかかりません)。

 

保険金の非課税枠は、500万円 * 2人(妻と子1人)で1,000万円

相続の基礎控除は、3,000万円 + 600万円 * 2人(妻と子1人)で4,200万円

 

相続税のかかる例

保険金(非課税枠を差し引いた額)とその他の財産を加えた額から負債と葬儀費用を差し引いた額が5,200万円を超えると相続税がかかります。

2014年12月31日以前ですと、このケースの基礎控除は、7,000万円で保険金の非課税枠を加えると8,000万円を超えなければ相続税はかかりませんでしたが、2015年1月1日以降は5,200万円を超えると相続税がかかります(相続人が妻と子1人のケース)。

 

妻と子の相続人が2人で以下のケースについて相続税を計算してみます。

 

  •  保険金:3,000万円
  •  その他の財産(貯蓄や住居など):5,000万円
  •  負債(住宅ローンなど):1,000万円
  •  葬儀費用等:200万円

 

以上のケースで以下のようになります。

  •  相続する金額:8,000万円
  •  保険金非課税枠:1,000万円(引く額)
  •  相続の基礎控除:4,200万円(引く額)
  •  負債:1,000万円
  •  葬儀費用等:200万円(引く額)
  •  相続税対象額:8,000万円 — 6,400万円(引く額の合計)で1,600万円
  •  1,000万円〜3,000万円以下の税率は15%で控除額50万円

 

相続税 = 1,600万円 * 15% — 50万円 = 190万円

 

配偶者が相続する場合は、以下の高い方の額の控除があります(配偶者税額控除)。

 

  •  1億6,000万円
  •  配偶者の法定相続分相当額(相続税の対象相続額の半額)

 

配偶者には相続税がかからないので実際に支払う相続税は、このケースでは子の分の95万円になります。