会社員や公務員は、病気やケガで傷病手当金が使えます。
これは、勤務先の給与の補填です。
農業や職人等の自営業者を想定していた国民年金には、傷病手当金はありません。
傷病手当金制度
厚生年金（２０１５年１０月から共済年金と一元化）加入者が病気やケガで連続して３日間休んだ場合、４日目から給与の３分の２を健康保険から補填する制度です。
休んでも有給等で給与が支払われる場合は、傷病手当金は支払われません。
傷病手当金は、勤務先から給与が支払われない場合に厚生年金から支払われる制度です。
医療保険は基本的に入院あるいは手術をした場合に保険金が支払われますが、傷病手当金は自宅療養でも支払われます。
傷病手当金の支給条件
以下の条件をすべて満たすと支給されます。
- 業務や通勤中（こちらは労災）以外で病気やケガで療養中
- 療養のため業務ができない（労務不能）ことを示す医師の診断(所見)
- ４日以上仕事を休んでいる場合に４日目から支給対象
- 勤務先から給与の支払いがない
支給額
傷病手当金は、１日につきボーナス等を含む標準報酬日額の３分の２が、同一の傷病について支給開始日から最長１年６ヶ月支払われます。
勤務先から通常に給与が支払われると傷病手当金は支払われません。
また、勤務先から標準報酬日額の３分の２以内のお金が支給される場合は、その差額が傷病手当金として支払われます。
出産で休職して給与が支払われない場合は、傷病手当金でなく出産手当金が支給されます。
傷病手当金受給中の退職
以下の２点を満たしていると退職後も傷病手当金を受給できます。
- 退職日までに継続して１年以上の厚生年金（健康保険）に加入
- 退職日に傷病手当金を受給しているか受給条件を満たしている
- 退職日に出勤すると上の条件を満たさなくなるので継続して給付できなくなります
- 退職して厚生年金を受給する場合は年金額の日額が傷病手当金の日額より低ければその差額を支給
2015年10月23日（金）
